大規模修繕委員会の各位様へ
≪出典:ANNニュース≫
工事契約後の実数精算とは何か?
工事契約が終わったからと言って安心はできません。これから足場を組み本格的な建物調査に入ります。足場を建てる前は確認できないので契約上の実数精算ということになっています(これは全国共通です)契約時は補修想定数量で契約になりこの数量が本格的な調査で増える場合は契約外のお金が発生しますので注意が必要です。
調査後に契約数量との差額説明が業者からありますので良く話を聞いて理解する必要があります。
例えば・・タイルに関するものが主です。浮き・割れが契約数量から大幅に増えた場合は以下の事を確認してください。
①それは放置すると危険ですか?⇒タイル
②それは放置すると進行しますか?⇒鉄部の錆
③それは美観的に必須な補修ですか?⇒エントランスエリア
万が一タイルが剥落しても人的被害がない部分
仮にタイルの浮きがあった場合でも、外壁で人の通行が無い部分・共用部の腰1m以下・バルコニー内の部分は補修しなくても大丈夫です。
各戸の玄関の入り口の上の梁下にタイルが貼ってある場合は、多少の浮きがあった場合でも貼り替えることをおススメします。
≪出典:国土交通省2018年度マンション総合調査を追記≫
修繕はどこかで線引きをしないと「どんどん金額が膨らみます」きりがないのでその線引きを大規模修繕委員会で協議したほうが良いです。非雨がかりのシーリングは防水性能は問われないので工事するのはもったいない。床の防滑性塩ビシートも全部貼替るのではなく悪い部分(反りや浮き)に限定しましょう。大規模修繕は3回目(築40年前後)ぐらいが一番お金がかかります。それは設備関係や配管・エレベーターの更新工事があるからです。それまで積立金は温存することを推奨します。工事費は益々値上がりもする傾向ですし人件費も高騰します。
管理組合様におかれましては、3年に一度の定期的な点検や居住者のいアンケートによる情報収集を行うことがマンションにとって大切です。また、今までの修繕記録(建物カルテ)を遡ってまとめておくと大変効率的な修繕が可能になります。修繕はまとめてやるものではなく「適宜・適宜」が一番安上がりなのです。