大規模修繕の現状と改善方法

修繕は適宜・適宜行う

上の写真のような手すりがアルミやガラスの場合は修繕対象箇所は→(赤)のみでありこの幅を塗装するのに膨大な足場を組んでいるのは無駄と思いませんか?

バルコニーや共用廊下に多く見受けられますがこの部分はロープアクセス(無足場)で施工すれば≒50%低減できると思います。

「建物修繕は適宜・適宜行う」が正解

1⃣大規模修繕工事は12年サイクルという指針が国土交通省から出ていますがこの12年の根拠がありません。建物は人と同じで1棟1棟個性がありその劣化度も違うのです。

建設時期・方位・階高・周辺環境・作業した職人の技量など何一つ同じではないのです。

一気に大規模修繕工事をする必要性はありません。調査して「放置すると劣化が進む・危険」は個別(部分修繕で問題ない)に対応すれば良いです。

外壁は汚れることは避けられないために、再度塗装とかは創意工夫がなく同じことの繰り返しとなりますので、今後は雨水が外壁に流れないように水切りの配置や汚れが目立たないような配色にするとかの工夫は必要ですが

 世間で一般的に行われている方式私達の推奨する方式
建物診断の必要性施工者がやる場合、設計監理者がやる場合もお客様視点での建物保全の観点からの診断はされていないように見受けられる。
無償の診断ほど工事費が上がる傾向
建物診断は今後の修繕や長期修繕計画を策定する上で欠かせないものです。 また建物は人と例えると経年劣化(老化)という観点から同じように年を重ねていきます。
利害関係のない第三者にすべき。
診断結果の評価の仕方足場を架けなくては診断できない 外壁の打診は手が届く範囲に限られ契約後に足場を架けて初めて外壁の打診や目視を確認しその調査で確認できた不良部の補修費はその契約とな別に実数精算となります本来の診断は外壁も手が届かない範囲も調査しなくては意味がない。 ロープアクセス技術(無足場工法)で 対応ができます。これにより実数精算リスクの低減、不良個所の補修のための経済的な足場計画の策定、不良個所の優先順位が把握できるなど工事費用の削減効果は相当期待できる。 契約前に全体の不良個所を把握することが今後の様々な検証でのエビデンス効果があるのです
修繕積立金が少なく大規模工事の費用が捻出できない場合に
有効です
建物診断を施工業者と同じにする施工業者に建物診断させては正確な診断ができません。工事額を上げるために本来まだ取り換える必要性のないものまで交換する傾向がほとんどで工事費用を上げることの診断になっているかつ足場を架けることでついでにあれもこれも・・・となり工事費が膨らむのです。利害関係のない第三者による調査をおススメします。ただし調査する人の経験値や実績によりバラつきが出ます。  
建物診断を施工業者と別にする設計監理方式の場合でもその調査は設計監理者がせず落札予定業者 にさせているのがケースとして多いという印象別にすることを推奨します。
設計監理方式一般的に中規模・大規模マンションに採用されているケースが多いがいわゆる悪徳コンサルタントが大半。設計監理費を安く設定しその穴埋めとして施工業者からキックバック(裏金)を受けているとこが多い真面目にやっている設計事務所も当然ありますが見抜くのが中々難しいので管理組合で顧問建築士を雇い選定判断してもらうのも一手。
責任施工方式施工会社に設計・施工の全てを 一任する方式ですが工事額は高額になりやすい。発注者と施工会社の信頼関係が根底にあり競合がいな いので高額になる傾向があります予算明示型方式(業界初) 管理組合さんが予算を明示してどこまで補修する提案をしてくれるか業者の力量や保証体制、技術力の総合バランスで決める方式が普及すればと思います
理事会の役割一般的に業者は管理組合の修繕積立金を大規模で使い切る考えが多いようです大規模修繕はあれもしたい、これもしたいと建物が綺麗になることは非常に良いことでありますがその費用も膨らむ一方です。外壁などはその経年を保全する必要最低限の費用をかければ良いと思います。 一番大切な設備の配管類の劣化は人に例えると血管の部分であり将来的にこの費用を余裕をもって確保する必要がありますので外壁修繕は爆裂や漏水・タイル剥落以外は二の次です。 足場を組まなくても大規模洗浄という選択肢もあります
理事会の判断の仕方大規模修繕工事は管理会社任せで他人事のように考えているように見受けられる。理事会の皆さんが判断できるような顧問建築士(現場経験豊富)を人選しコミュニケーション力のある方や気が合う方との連携が成功の秘訣です。