マンションの大規模修繕費用が足りない場合の対策

現時点での建物劣化診断調査を行う

マンションの修繕費用が足りない場合の対策ですが、まず建物劣化診断調査を行ってください。これをやらないと先に進めません。長期修繕計画を見直すにはこの調査が欠かせません。この調査結果を元に長期修繕計画を見直すのです。現在の長期修繕計画は新築時にデベロッパー又は管理会社さんが作成しているケースがほとんどですが実態にそぐわない内容であったり過剰な計画、過小な計画であった場合は今後の計画が正確に検証できないのです。

外部の調査会社に依頼しその際に必ず外壁の調査(手が届かない部分)もロープアクセス工法で調査する必要があります。調査会社のほとんどがこの外壁調査(手が届かない部分)をしていません。理由は、通常手が届かないところは契約後再度調査を行い不良個所があった場合実数精算扱いで契約以外に追加金額を支払うことになります。業者はドローンや赤外線などの専門業者がいますが精度的に難しい部分(タイルの浮きの精度やバルコニー内の調査ができない)もありますのでロープアクセス工法でランダム調査(目視・触診・打診)して劣化傾向をつかまないと調査したことにはならず、長期修繕計画の見直しが正確にできませんので結果無駄な調査費となるケースが多いのです。

調査結果の優先順位をつけて長期修繕計画の見直し作業

この作業は専門家(外部専門委員に依頼)でないとできませんが必要な見直しでこの計画を60年先までシュミレーションします。調査会社とその外部専門委員と管理会社連携することが良いでしょう。その結果修繕積立金の必要額の答えが導かれます。10年前、20年前の長期修繕計画は建築技術者が計画しているのではなくその精度に欠けます。実態と違う計画で修繕積立金を算出しているとしたら意味がありません。長期修繕計画は修繕積立金の根拠となるものなのでとても精度が要求されます。

大規模修繕は特に難しい技術を必要としない人間で例えると「お化粧」レベルなのです。その新築でもない簡易的修繕作業に過剰で強固な足場は無駄と思うのです。調査結果に応じて他の工法で安価なロープアクセス工法は有効な手段です。

総工事コストを下げるにはこの足場を十分検討する必要があります。大規模修繕ありきで工事していると安価にはできないために調査結果に応じた経済的な方法を採用してできれば分割修繕を行うと良いコストパフォーマンスが期待できます。今大規模修繕で行っていることが本体なら逆で無駄な不要不急な工事もどうせ足場をかけるなら と行っているのがほとんどです。これでは積立金が逼迫するのは当然であり発想を変えることを意識されたらいかがでしょうか。

建物は放置すればするほど工事が割高になる

3年に一度の建物の定期健診(外壁調査は除く)を行い劣化状態を把握し早い段階であれば安価に補修できますのでお勧め致します。定期健診は診断とレポートで8万前後でやってくれるでしょう。(30戸~50戸)程度の場合)劣化診断調査はお客様の目的に応じた調査を行うことが大切です。

1⃣簡易建物劣化診断(10万~)

★現在の建物劣化状況を知りたい(大規模修繕はいつごろ予定すべきか把握したい管理組合様)

2⃣建物劣化診断(40万~)

★現在の建物劣化状況と設備劣化状況・外壁劣化状態を知りたい(大規模修繕の現実味が出てきた管理組合様)

3⃣建物劣化本診断(100万~)

★現在の建物劣化状況・外壁・設備・外構・工事費・劣化図面・優先順位を知りたい(大規模修繕を見据えた管理組合様)