大規模修繕は必要ない理由2⃣

分譲マンション以外では大規模修繕は実施しません

大規模修繕は必要ない理由ですが、まずお考えいただきたいのが街中の商業ビル・本社ビル・事務所・学校・デパート・学校等々様々な建物が建っておりますがこれらの建物には定期的な「大規模修繕」など行いません。例えば商業ビルの外壁大規模修繕を行えばテナントさんは賃料を上げることに同意してくれるでしょうか?答えはNO。

大規模修繕を行わない理由は何故でしょうか?

建物は外壁も含めて強固に作られているために12年~15年に一度修繕という概念は全くないのです。鉄筋コンクリート造では100年はコンクリートの性能は保持します。修繕を実施したとしても50年~60年後でしょうか?それも漏水などがあり仕方なくというビルオーナーの見解がほとんどです。

ではなぜ分譲マンションは定期的に大規模修繕を行うのですか?

大規模修繕の法的根拠はありません。管理組合の任意です。これは国土交通省の大規模修繕推奨指針や特定団体の誘導によるものと思います。定期的に実施して常に綺麗な状態でいることは理想でありますが国から補助金があるわけでもなく皆様がコツコツ貯めた修繕積立金が一瞬のうちに無くなるのです。それで良いのでしょうか??大規模修繕を行うことによって所有者の資産価値が上がるわけではないのです。逆に修繕積立金が少ないほうが資産価値は下がります。

例外はあります。クラックによる漏水や防水劣化やタイル剥落の危険性がある場合は修繕は必要です。コンクリートの中に水が浸入すると鉄筋が錆びて膨張してコンクリートの爆裂となりますので早期修繕が必要です。これらはピンポイント修繕で対応できます。皆さん大規模修繕という言葉を信じて義務的にやっているとしたらそれは大きな勘違いなのです。大規模修繕を行うことせっかく足場を架けるのだからあれも直そうこれも直そうとなり結局は工事費が莫大な金額になるのが通例なのです。不要不急な工事は無駄な行為です。

設備配管の更新は絶対に必要です

生活に直結する配管類の劣化による漏水も新築後30年ぐらいでリスクが高まります。汚水管よりも雑排水管のほうが劣化が激しいです。また高齢化に伴うバリアフリー化・手すり・スロープ設置など機能面の向上や異常気象における防災面に費用をかけるべきですね。

とは言うものの外壁も埃や雨垂れなど汚れてきますので外壁洗浄を実施12年~15年一度行えば見違えるほど外壁は綺麗になります。大規模修繕ではなく大規模外壁洗浄です。足場をかけなくても可能で足場をかけた大規模修繕に工事の10~20%のコストで納まります。建物は何一つ同じものは存在しませんので劣化状態は個々に調査する必要があります。世間一般的に費用相場と言われている100万/1所帯あたりはパッケージ商品で不要不急な工事も含まれているというのが実態です。結果損を被るのはお客様になってしまいます。

外壁タイルの浮きは注意してください

外壁調査は通常の建物劣化診断調査では手が届くところしかできません。建物全体を工事契約前に調査できなかれば意味がないのです。手が届くところ以外は足場を組んだ後調査して「欠陥が出た」分お客様が実費精算(契約以外の請求を受けます)となりお客様リスクがあります。外壁タイルはロープアクセス工法で調査出来ます。タイルは多少のクラックなどは軽微な補修としてタイルが浮いている部分は貼り替えが必要です。万が一タイルが落下して人にけがを負わせると民法717条の所有者責任となり損害賠償義務を負います。

外壁の劣化は当然起きる現象で直したらきりがない

外壁の漏水以外は大した問題ではありません。塗装も南面・西面が北面・東面よりも劣化速度は日照時間が長いので速いのです。一度大規模洗浄してどうしても気になるところだけロープアクセス工法で塗装すれば効率的です。場合によっては南・西面の塗装だけというケースも存在しています。要は修繕というものはきりがないのですどこかで線引きしないと。鉄部だけは錆が発生しないように5年に一度は雨に接する部分はメンテナンスが必要です。

適切な時期に適正な修繕を(適正修繕・優先順位分割修繕)

3年に一度は建物の健康診断をしましょう。定期的に検診することで後々問題になりそうな箇所に予防修繕することも可能になります。

ここでまとめます。

1⃣定期的建物検診する

2⃣不要不急な工事はしない(本当に必要な工事への対応にとどめる)

3⃣調査結果による優先順位とそのコストを第三者に出してもらう

大規模修繕よりも分割修繕(適正修繕)及び大規模洗浄という選択肢がありますということをお伝えします。これらのことは管理組合様では対応できないので専門の第三者に依頼したほうが良いでしょう。