マンションの大規模修繕時大切なポイント「建物劣化診断」

建物劣化診断の品質の判断について

マンションの大規模修繕のポイントまずは建物劣化診断です。結論から言いますと、建物劣化調査は調査にかける時間と調査する人の技術力・経験値で大きくバラつきます。その調査にかかる時間は2時間、1日、3日、7日どのぐらい時間をかけるのか確認しましょう。その辺をしっかり確認しないと精度の悪い診断になります。その辺を曖昧にしないほうが良いのです。

私の場合は共用部全体の調査「屋上・共用廊下・エントランス・設備・外構」で2日間、外壁・バルコニー内の無足場ロープアクセスで4日間(4面×3列=12回)、予備1日しっかり時間をかけて調査しています。ただ、劣化しているところだけピックアップしていては意味がありません。その不良はどのようにしてできたのか?原因をイメージしながら調査してそのポイントを明記しながら行わないと同じことの繰り返しで修繕の周期が伸びません。(後日提出する結果と原因と修繕方法レポートにつながる)

ですのでその診断調査者の技量に左右されるので金額だけみると正に安かろう悪かろうになる典型的ケースです。その調査結果は後の長期修繕計画の計画修正根拠になるものなので最も重要です。またそれとは別に入居者アンケートも図面にプロットしてから行わないと意味がありません。ご入居様しかわからない不安や解決してほしい情報を事前に図面に落とし込んで調査することが最も重要で大切なポイントです。

外壁の実費精算について

建物劣化診断は外壁については手が届く範囲に限るのが一般的です。(足場が無くて調査できないので当然です)ただこれでは建物全体の調査ができていないのに等しいのでこの状態で契約すると後に足場を架け再度調査した際の不良部は「実数精算」となりいくら請求がくるかお客様は不安な状態になってしまいます。

これを改善するのは、足場の無い状態での外壁の「目視・触診・打診」を行う方法は「ロープアクセス方法による調査」しかありません。この調査により実数精算の誤差は少なくなりお客様も安心して頂けると思います。またロープアクセスで調査することで不良部の範囲や箇所が明確になりますので仮設足場コスト削減の可能性が広がります。

不良部範囲が広い場合は本足場・不良部範囲が少ない場合はロープアクセスで工事したほうが総工事費は各段に下がります。また予算がない場合は分割修繕の選択肢も広がります。