大規模修繕工事外壁のタイル浮きはどの程度あるのか?

そもそも何故タイルは浮くのか?

外壁のタイルの浮きの原因ですが、外的要因と内的要因に分けられます。

■外的要因(環境)

①日射によりタイルが熱膨張するのですがその下地のモルタルコンクリートは熱がタイルほど影響を受けないので熱膨張が少ないのでその境がズレることによるもの。

②地震による捻じれが起きるのでその影響

■内的要因(新築時)

③コンクリートを成型する型枠がパネコート板(表面がツルツルの板)を使ったため(通常一般型枠表面に微妙な凹凸あり)

④職人さんの技量不足(張り付け接着剤の規定量の不足、厚みの不足、接着剤が硬化し始めてのタイルの貼付け)

以上①~④が複合的に起こしている場合もあると思いますが・・・・。

外壁全体に対してどの程度浮いているか?

自分の過去データ23件を確認してみました。平均値は大規模修繕1回目と2回目を示します。

1回目 4.9%(タイル貼替とエポキシ樹脂注入含む)

2回目 3.2%(タイル貼替とエポキシ樹脂注入含む)

仮に外壁タイル面が1000m2とすると、1回目は49m2です。6畳が9.93m2ですから≒30畳にもなります。ただしあくまで平均値でありひどいところは妻側南外壁面だけで南面43%が浮いていました。その他妻側南面外壁面の0.2%という物件もありまちまちです。

浮きがばらついているか?まとまっているか?により足場工法は変わります。

貼替るタイルの選択肢は?

①既存タイルを5~6枚枚剥がしその見本でタイルを新規に焼く

②近似タイルを選定する

③新築時のタイルの余りを使う

以上が考えらますが普通で考えると③ですが、タイルが残っていないケースが多いです。また残っていたタイルで数量的に対応できたとしても色目が違います。現場タイルは日照を浴びていて在庫タイルは倉庫に眠っているので同じタイルでも光り方が違うので要注意です。

虫食いのような仕上がりにならないようにタイル選定をする場合のアドバイスとしますと足場のシートを部分的に剥がして候補でる各タイルを貼る試験施工を行うことです。私はその試験施工に管理組合様できればご入居住者全員に立ち会っていただき決めていただいております。

余談ですが神奈川県の川崎でタイル浮きが20枚という物件がありました。