マンション外壁の爆裂は危険
落下したら大事故につながるリスク
マンションの外壁爆裂についてですが、この現象は手すりの根元から雨水が流入して鉄筋が錆びて膨張したことが原因です。コンクリート内に水が浸入すると鉄筋に錆を発生させて膨張することによりコンクリートを押し上げこのような結果につながります。
ですから、外壁の漏水や雨漏りは放置しないで早急な対策が必要なのです。原因は新築時の施工不良主にコンクリート打設時に流動性を上げるために「水」を混入してしまうものです。近年はそのようなことはないと思いますが40年以前は当然のように水を入れていたと先輩にも聞きました。
いわゆる旧耐震(昭和56年6月)以前の建物はこのリスクがありますので耐震性にも心配が残るわけです。写真のような状況でも近年の補修技術により補修(進行を止める)ができます。
補修手順
1⃣浮いているコンクリートは全て除去する
2⃣鉄筋をワイヤーブラシで錆を除去する(鉄筋は切断してはいけません)
3⃣鉄筋の粉を落とす
4⃣ユニエポを塗布する
5⃣樹脂モルタル(Kモルタル)を塗りつける(3回)
4⃣完了
定期的な建物診断が一番大切
このような爆裂を起こさないためには3年に一度40戸程度の規模の場合(1級建築士で10万前後で一日かけて現場チェック・写真・診断レポート・考察)の建物診断を行うことをおススメします。(気をつけなくてはならないのは無資格者で現場チェックが2時間程度で終わらせる会社あり)
キーワードは「建物もあなたと同じ健康診断」!です。例えばあなたが健康診断を実施して「胃炎」であったとします。通常は経過観察などでまた「太田胃散」等で済ませるのが一般的です。胃炎の胃を手術により開腹して胃袋内に直接「塗り薬」を塗っているのが大規模修繕です。
手術代、痛み、会社を休む、精神的苦痛など代償が伴います。これに該当するのが修繕積立金の値上げです。無駄なことをやっていたらお金はいつまでたっても貯まりません。本当に必要な部分に限定してお金をかけることが必要と思いませんか?
大規模修繕を否定しているわけではないのです。いつも綺麗な状態でいることは大変望ましいことですがその費用を国が市が負担してくれれば良いですが・・・。そんなことはあり得ませんね。