大規模修繕は品質の低下のリスクが今後増える

技術者・職人の不足(若手不人気の業界・高齢化など)

上のグラフを見てください。圧倒的に建設関係の人手が不足しています。これは外国人労働者に頼らざる負えないことを意味します。言葉が通じない外国人労働とのコミュニケーションがうまくいかず建物の仕上がりが不安になります。ただし、しっかりした日本人以上に働く有能な職人さんもいます。日本人も善し悪しがあるので何とも言えない部分ではありますが言葉の壁を乗り越えられれば問題はないですが少し時間がかかりそうです。従って設計監理者は今まで以上にしっかり現場を巡回して問題点は即是正してもらう必要があります。

なぜ分譲マンションだけ大規模修繕というキーワードが多いのか?

建築物は完成時から劣化が進みます。屋根・屋上・外壁各所全ての部位が劣化します。しかしマンション以外の日本中の建築物を10年~15年周期で行っていないのです。事務所ビル・公共建築物・賃貸マンション・商業ビル・戸建て等10年~15年周期で大規模修繕を行うことは少ないのです。建築物は補修修繕などのメンテナンスを適時・適材・適所に実施すれば建物全体を丸ごと大規模修繕をする必要がありません。部分的な修繕工事でその大部分対応できるのです。

丸ごと修繕となると外部足場を架けてまだ材料性能が残っているにも関わらずその部材を撤去して新設しているケースが良く見られこれは無駄な工事です。例えば外壁だと南面・西面よりも北面・東面の劣化は明らかに進んでいません。せっかく足場をかけるのだからついでにという発想です。これでは修繕積立金が不足するのは当然です。分譲マンションの他の建物にはない特徴として修繕積立金がありますが、この積立金の中で計画的修繕をしないとお金がいくらあっても足りません。借入などしたらマンションの資産価値は下がります。負の資産になり中古購入者の購買意欲が下がります。という「結果」が見えます。

工事額が安くなる方法は色々あります

例えば(1例として)管理組合の皆様が工事中少し我慢(バルコニのーパーテーションを一時的に外し仮設の可動式パネルに変更し作業員が行き来できる状態にする)して頂けるのであれば、コストを下げる手法はあるのです。工事費を下げるには無駄な仮設足場を限りなく排除して「費用対効果を」考えた代替足場に変更することです。