建物劣化診断の見積内容の確認をしましょう

各社診断内容が違います

建物劣化診断の見積内容の確認は大切です。各社まちまちで不要な検査(実施年数が時期早々等)が含まれている可能性もありますので、必ず複数社見積を徴収すべきです。また建物の経過年数10年、20年、30年とその調査診断内容は違うようです。診断箇所の場所も屋上・共用部・外構・付属設備・設備などの部位も確認すべきです。また調査にかける時間は半日なのか1日なのか3日かけるのか?をグレーゾーンにしている業者も存在します。調査する人の能力にも調査結果の精度にも影響がありますのでその調査者技術力も御確認ください。

10年目  目視・触診・打診・アスベスト混入(塗膜・タイルなど)シーリング材物性検査

20年目  上記に追加で塗装付着力・タイル付着力試験

30年目  上記に追加で配管内ファイバースコープ検査

40年目  上記に追加でコンクリート中性化

が一般的な業界の通例です。建物経過年数で診断内容は違う提案をしてくると思います。

劣化診断の目的

劣化診断の目的はその調査内容を設計の方針や施工材料の選定に使うになっていますが設計者はその診断結果を参考にはしますが設計に反映しないケースが多い印象があります。

有益な検査は目視・触診・打診です。アスベストは調査が法的に義務付けられています。その他試験はせっかく費用をかけて劣化診断しても「いくら修繕費がかかるか?」わからないのです。検査結果だけもらってもお客様は困ります。費用対効果がない建物劣化診断となってしまいます。その調査した診断結果を活用して次のステップの検証に大いに役立てるべきなのです。配管内ファイバースコープは配管詰まりなどがない場合は劣化診断とは別に切り離して考えるほうが良いです。

肝心な外壁は手が届くところのみ

外壁打診調査は手が届くところのみであり中途半端な外壁検査となるのが現状です。だから4面足場をかけて本格調査が始まり実数精算対象調査が始まるのです。足場をかける前に外壁調査するのが本来の姿であると思います。足場を架けてそんなに不良部がなければその足場は無駄です。

30年~40年目ぐらいになりますと配管類の交換などの可能性が高まりますのでその時の為に修繕費の無駄な出費は控えたほうがよさそうです。汚水よりも雑排水に不具合が生じやすいのは配管内に油の塊ができやすいからです。逆流してしまうケースもあります。建物は人間と同じ経年で劣化するのが当然なので上手く状況を見ながら付き合っていくイメージです。